(^_-)-☆技術は山勘 [押出成形]

 2808 新製品の金型のデザイン打ち合わせで、チビトゥンまで行ってきた。今の会社には、図面を書く人がいないので、金型を注文する会社に書いてもらっている。今までの金型デザインで、製品が通過する隙間を言えば、冷却、溶融どちらの金型図面は書けるが、金型本体にデザインを兼ねなければならない製品を作る場合は、そのことについて、金型屋と詳細を打ち合わせなければならない。今回の場合がそれにあたっていて、今日で三度目の打ち合わせになった。

異形製品の金型のデザインは、山勘である。ある程度の経験で、どこがどう変形するかを考えて、その部分を変形込みで長くしたり短くしたり、膨らませたり、へこませたりする、その程度も、当然、山勘だ。
単に断面が正方形の製品を作る時、溶融樹脂が入り込んで冷却をしながら外側の形を決める冷却金型の内側の寸法と形状を山勘で、ほとんどすべての樹脂は、外側の寸法を強力なバキュームで引っ張って金型の内側に押し付けながら、決めてしまえば、金型の内側の寸法より若干小さい正方形の製品ができる。それでも、樹脂によって、速度によって、大きさによって、小さくなる度合いが違うので、勘より、ちょっと小さい寸法で作っておいて、小さければ、ちょっと大きくなるように修正する。
それより、問題は、完全に外側が冷えてしまって固まっていれば、そのまま正方形になっているが、少しでも固まりが足りなければ、時間が経つにつれて、引けてへこむでしょう。一般的にはへこみます。
それより、もっと、問題は、中心部にスと言っているが、空洞が連続か点々かできてしまう。原因は、固まるに連れて、収縮するからです。外側が固まってしまっているが、当然、内側はまだ、固まっていない。内側の樹脂が固まるにつれて収縮する。そして、固まってしまっている外側に引っ張られて、内側に空洞ができてしまうのです。それは、外側を内側に引っ張る力が働いているから、外側の固まりが十分でなければ、外側に凹み(引け)ができるのです。
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この製品、こんな製品を作ってほしいと渡されたサンプルです。図面はない。原料はHDPE(ハイ デンシティ ポリエチレン、硬質ポリエチレン)しかし、この製品、図面通りにはできていないと思う。何故、そう思うのか、上の四角い部分の下側の横寸法が上面に比べて小さい、図面では同じはずです。そして、平らである面全てが、内側に引けている。図面では真ッ平のはずだ。そして、これでいいのです。十分、役目を果たすのです。押出製品とはそういうものです。図面にできるだけ近づけるが、ある程度近づけば、これで、どうですか、使えますか?とサンプルを出すのです。出来れば、それでOKにしてくださいと。ダメだと言われれば、改良点のポイントを確認して、また修正して、より、使えそうな、製品を持ってゆくのです。 
  製品にスがない、空洞がない、ということは、収縮した樹脂はすべて内側に引っ張られて外面も引っ張られてへこんでいるのです。そして、へこんだ状態で平らになるように、金型の内側をアールにしてあるのです。金型から出てきた時には製品はふくらんでいるのです。
 
バキュームで引っ張る方法についてでしたが、大きさによっては、素引きと私が言っている、ただ、製品の形よりちょっと大きな隙間を通すだけで作ることも考えられる。これは、溶融金型から出てくる樹脂の形状もその隙間を勘によって、適当なものしなければならない。

また、大きさによっては、固化押出にする方が良いかもしれない、溶融押出とは全く装置になる。

これらのことが、うまくできる人と、出来ない人の差は大きい、向き不向きは、ここにある。学校の成績に比例しないし、反比例でもない。高学歴、低学歴とも関係ない。
 
偏肉の製品は、厚い方に曲がるのです。厚い方が、冷却が遅いから、より、収縮するからです。歪の話です。ストレスの話でした。ストレスは少ない方が良い。人間も同じ。
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 今日の金型屋からの帰り道、狭くいが、コンテナ車や大型トレーラーが行き交っている。左側は、結婚披露の会場です。インドネシアらしい。


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