(^_-)-☆ライナーチューブ [押出成形]

1882 ケーブルコントロールシステムって何か知っていますか。チューブの中にワイヤーを通して、引っ張ったり、押したり、回転させたりして、対象物を閉じたり、開いたり、或いは、回転速度を感知したりするシステムです。例えばバイクや自転車のブレーキシステムです。一般的に、単純なら内部からプラスチックチューブ、金属螺旋管チューブ、樹脂で被覆チューブからなります。現在では主に車、バイクなどで大量に使われている。

POM(ポリオキシメチレン、ポリアセタール)が日本に登場したと同時に、その耐摩耗性、滑りの良さ、に目を付けて、車のアンテナを摘まみやボタンで出したり、引っこめたりするワイヤーを通すチューブを日本アンテナという会社のために作った。デュポン(Du Pont)のデルリンを使った。直ぐ後にポリプラ(サラリーマンを辞めた時にこの会社の高野さんから富士の研究所で押出成形を研究しないかと誘われたこともある)のジュラコンも使った。この原料でチューブを作ることができたのは、日本では、やはり、私だけでした。会社の中で私がいつも立ち上げをしていた製品の一つでした。黒にして宝塚策動管という会社にも提供していた。ケーブルコントロールシステム用のインナーチューブの走りでした。
そのメーカーは試行錯誤の時代でした。HDPE(ハイデンシティポリエチレン、硬質ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン)や6ナイロンでもチューブを提供していた。製造方法はそれぞれの樹脂で違っていた。樹脂にグリスを沁み込ませてチューブを作ったこともあった。私が22~3歳の頃でした。
http://space.geocities.jp/enplaindonesia/newpage5.html

そして、それから、30年ほど過ぎて、インドネシアでそのチューブを作る機会が訪れた。30万M/1か月、ほとんど、全てが日本からの輸入でした。20年以上、現地でできる人を捜していたそうでした。原料の大部分は架橋HDPEである。原料に架橋剤が混ぜてあって、チューブにしてから、一定の温度環境に保つと架橋されるという原料です。その他に一般的なHDPEやPOMがある。初期に手掛けた製品とは品質の厳しさが比べものにならない。寸法公差は±0.05以内で、厚さの公差もあるので、実際には内外径とも±0.03くらいが求められた。それでも、出来ないとは言えない。
この種の細いチューブの製造方法は、私だけの方法があって、ま、大概のものは出来るという自信もあった。ちょっと厄介だったが何とか製品を作ることが出来た。そして、内径のチェックは、中に鉄球を入れて、磁石で定位置に留まらせ、内径が小さかったり、異物の突起があったりすれば、鉄球がその位置から移動するので金属探知機で移動を感知し、巻取りを止める仕組みを作った。外形は止まり冶具に通して、引っかかれば止まるようにした。

それから、何年か過ぎ、今では、私が指導した会社は、3社に供給していて、車やバイクの生産増に伴って、毎月100万Mくらいの生産になっている。ということで、輸入をする必要はなくなっていて、ほとんど、インドネシア国産になっていて、その全ては私が作った装置と金型で作られている。要するにインドネシア産の車やバイク、自転車など、ワイヤーを動かすシステムは全て、私の作品が使われているのです。その作品は、表に出ていないので人の目に触れることはありませんが、私がいなければ、未だに輸入品を使っているはずです。車やバイク製造のの日系企業の方々、ご存知でしたか。
同時にインドネシアの人に技術を伝えている、これらの事を誇りに思う。
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こんな造形物はインドネシアでは珍しい、バンドゥンのジーンズストゥリートゥには沢山ある。
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特別のアクアです。16日前に全部、友人たちにプレゼントします。
   

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