斜めからインドネシアを眺めよう 423 [仕事]
インドネシアの一般的な風景
性格的に、走りだしてから、周りを見るし、一つに集中しているつもりが、他のことも気にしてしまうので、子供のころから、怪我は多い人間だと思う。この年になれば怪我はろっ骨を何度か折ったくらいであるが、肋骨にひびが入ったくらいであ怪我のうちに入らない。それと、仕事上、火傷は当り前で、火傷が治らない上に火傷をすることは稀ではない。手当などしない、それでも、化膿してひどくなったことなどない。私の指と腕は、全面、火傷の跡だらけである。火傷を怖がるような人は、この仕事に向いていない。
最後のひどい怪我は、40歳の直前だったと思う。仕事中、製品を引取機に差し込むとき、摘まんでいた左手の親指、人差し指、中指も一緒に巻き込まれてしまった。あわてて、引っ張ってしまったので、親指の爪の生え際からちぎってしまった。
沼津の工場から静岡へ移ったばかりで、入社して一か月ちょっとの男の従業員と二人きりで、三ラインの操業をしていて、大変忙しかった。気が動転してしまった従業員は真っ蒼な顔をして立ちすくんでいた。機械を止めて、従業員の運転で、病院へ急行した。手を頭の上に上げて出血を最小にし、病院について、優先的に縫ってもらった。化膿止め点滴をしなければならないから、入院しろと言われたが、とんでもない、といって断った。その代わり、三日間毎日二時間の点滴を受けにくることを約束し、実行した。
翌日、その手で、三台の製品の立ち上げをして、包帯がぐしゃぐしゃに濡れてしまったが、そのまま、点滴を受けに自分で車を運転して、病院へ行った。なにをしたんだと,叱られたが、その後二日間とも、同じ様に濡らして,病院へ行った。医者はあきれるばかりだった。その後は病院へ行かず、十日後に抜糸のために行った。それきりだった。その状態を見て、入ったばかりの従業員は、抜糸の三日後に会社を辞めてしまった。私の仕事ぶりと、怪我の処置の方法が怖くなったのでしょうか、辞めた理由が分からなかったが、出勤しなくなってしまった。
ゴルフのグリップはその千切れて繋げた親指で抑えているので、たびたび、古傷が痛む。それがボールを遠くへ飛ばせない理由とは思わない。
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